咳と呼吸器系の7つの感染症
かぜ症候群・普通感冒
これは「風邪」のことですね。
ウイルスが鼻・喉から進入し、感染します。初めは鼻水や鼻づまり、喉の症状が出ることが多いです。
そして、咳が出始めます。
風邪は対症療法しかないので、子供は一度風邪を引くと長引きますよね。そして、治りかけにまた別の病気をもらってきて…、と繰り返すことも多いです。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスによるもので、「型」によって症状も異なりますが、大体は風邪の症状より重いのが特徴です。
「A型」だと特に咳症状がひどい傾向にあるようです。あと、子供はインフルエンザに罹ると咳が悪化して、
- 気管支炎
- 肺炎
- 副鼻腔炎
などの合併症を伴い重症化する場合が多いです。
ただ、インフルエンザは「高熱」という特徴があるので、熱がない長引く咳の場合にはインフルエンザではないと考えて大丈夫ですね。
RSウイルス
これも子供がいるとよく聞きますよね。
RSウイルスは乳児(1歳未満の赤ちゃん)が感染すると重症化する恐れがありますが、2歳以上の子供や大人が感染しても風邪のような軽症でRSウイルスと気が付かない場合が多いです。
そのため知らずに乳児にうつしてしまうことがあるので、乳児がいる場合は注意が必要です!
RSウイルスは大体秋から増加し12月にピークを迎え、年明けは徐々に減少し3月頃には落ち着くという流行パターンです。主な症状として、
- 乾いた咳
- 発熱
- 鼻水が数日続く
などありますがその多くは軽症で、乳児の場合熱は38℃程度が多いようです。ただし、その中の3割程度は、
- 呼吸が浅くなる
- ゼーゼーする
- 痰がつまる
- 呼吸数が増える(1分間に60回)
- 眠れない
等の症状があります。そして場合によっては気管支炎や肺炎となります。
さらには、
生後1ヶ月未満の場合、診断が困難な場合があり、突然死に繋がる無呼吸発作にも繋がる恐れがあるので、生後1ヶ月未満の場合は注意が必要です。
クループ症候群・喉頭炎
咳症状で病院に行ったとき、どんな咳か聞かれますよね?例えば、
- 乾いた咳か?
- 「ゴホゴホ」のような湿った咳か?
とか。咳にはこの他に「ケンケン」と犬が吠えるような咳をする場合があります。
この咳をしていたら、クループ症候群が疑われます。
これは上気道のウイルス感染によって、気管の入り口である喉が炎症で腫れてしまい、呼吸困難を起こす危険なものなのです。
呼吸困難になると、緊急治療で吸入しなければなりませんから、咳の音には特に注意です。これは生後半年から6歳くらいまでの小児に最も多いです。
急性気管支炎
普通の風邪が悪化して、炎症が気管支まで及んだ状態です。
特徴は、
発熱→乾いた咳→痰を伴った湿った咳
になっていきます。これはウイルス感染によるものが多いので、
- 咳止め
- 痰が出やすくなる薬
等で様子をみます。
熱が高かったり、膿状の痰がある場合は細菌感染も考慮し、抗菌薬を処方されることもあります。
肺炎
主な症状は、
- 発熱
- 咳
- 呼吸数が増加
- 呼吸が深くなる
などです。そして感染症からなる肺炎はウイルス性と細菌性に分けられ原因も様々です。
特に子どもの肺炎の原因は年齢によって異なります。
【新生児期】
- B群連鎖球菌
- 大腸菌等の腸内細菌
【1~2歳】
- 多くのウイルス
- 肺炎球菌
- インフルエンザ菌
といった細菌が多いようです。
【2~6歳】
- 肺炎球菌
- インフルエンザ菌
- マイコプラズマ肺炎
- 肺炎クラミジア
が多く、学童期以降では肺炎球菌やインフル工ンザ菌が少なくなる一方で、マイコプラズマ肺炎や肺炎クラミジアが主な原因とされています。
このマイコプラズマ肺炎は一般の細菌性肺炎と区別ができないことも多くあるので、レントゲンで肺炎だと分かっても、マイコプラズマかどうか分からないという場合も多いです。
その為、
血液検査での診断も難しいようです。
肺炎クラミジアってあまり聞きなれないですよね?これは、
- 扁桃炎
- 気管支炎
- 肺炎
等の原因となるクラミジアが引き起こす細菌性の肺炎のことで、最大の特徴は「しつこい長い咳」。
乾いた咳が数週間~1か月以上続くことがよくあります。咳以外は風邪のような症状なので、比較的軽く、肺炎と自覚しないうちに治癒していることも少なくないそうです。
子供がマイコプラズマ肺炎に感染した時の症状や予防法について!
百日咳
百日咳菌による感染症です。最近はほとんどの人が三種混合ワクチンを接種しているので患者数は少なくなってきていますが、地域によっては流行することがあります。
ワクチンの免疫持続期間が4~12年なので、大人の感染が増えていて、大人はRSウイルスと同様軽症ですむのですが、赤ちゃんや子供にうつしてしまう事もあるのです。
症状は特徴的な咳や名前の通り約100日も続く咳です。
かかりつけ以外だと何科で診察してもらえばいい!?
こう見てみると咳と呼吸器系の感染症って色々あります。大人の場合、軽くすんでも子供(乳児)が感染すると大変!という感染症も多いです。
早期発見、治療するためにはやはり医療機関に行って診察を受けなければなりません!
基本は”かかりつけの小児科”で大丈夫なのですが、場合によってはそれ以外を探さなくてはいけない状況もあるかもしれませんよね。
鼻づまりがあって、喉に痛みがある場合なら耳鼻咽喉科も良いです!
ただ、
耳鼻咽喉科は「喉」までの診察になりますので、咳の場合、呼吸の状態や肺の音も確認してもらった方が良いので、やはり小児科になります。
特に子供は自分の症状を的確に答えれませんので、かかりつけの小児科なら「いつもと比べて」の診察をしてくれます。
また、
地域で何が流行っているかなど、色んな可能性から診断してくれます。
【我が家の場合】
実は我が子も昔、鼻づまりがひどくて耳鼻科ばっかり行っていました。
夜間の咳もあったのですが、鼻が喉に流れて起きているものでしょうということで、抗生剤などは飲んでいませんでした。でも全く改善しないどころかどんどんひどくなる咳。
コンコン程度だったのが、日中もゴボゴボと肩で息をするような状態にまで…、こうなるまで放っておいたの?と思われるかもしれませんが、熱もなく咳以外比較的元気でしたからね…。
でもさすがに…と思い小児科へ行くと「肺炎」かもとの診断でした。
あくまでも「かも」なんですけどね。
特に検査はしませんでしたが、先生の経験上と肺の音からの診断でした。
そして抗菌剤を処方され数日飲むと、あれはなんだったの?というくらいあっけなく治ってしまいました。
それからは鼻づまりでちょっとした風邪かな?と思っても小児科と耳鼻咽喉科を両方受診しています。やっぱり鼻の処置は耳鼻科のほうが良いので、小児科だけと言うわけにはいかないんですよね!
我が家の場合は「かかりつけの小児科」で症状が治まりましたが、かかりつけの小児科でも改善しない場合は、やはり呼吸器科のある「総合病院」等の受診をおススメします。
かかりつけが子供の症状によっては総合病院を紹介してくれる場合もあるし、セカンドオピニオンを求めて自分で行ってもいいですよね。
ちょっとでもどうかな?と思ったら遠慮せず先生に相談することをおススメします!
※セカンドオピニオンとは現在かかっている医師以外の医師に求める第二の意見です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?咳が出てからの対処はなかなか子供相手だと難しいこともあるので、空気清浄器などで日頃から部屋の加湿や空気をきれいに保つ等の努力も必要です。
そして少しでも咳が出ていつもと様子が違う等、異変を感じたら迷わず「かかりつけ小児科」に行くことをおススメします。
また、
子供の熱が40度を超える高熱を出したときはどうすればいいのでしょうか?実は高熱を発しているにもかかわらず手足が冷たいときがあります。
間違った対処をしてしまうと大変な事態になる可能性もありますので、ぜひ正しい対処法を身につけておいて下さい。